切っても切れない縁があるスイフトとイグニス。
イグニスの名は初代スイフトの欧州仕様車に使われていました。
その後、スイフトの後継モデルとして独立したコンパクトクロスオーバー
として世に出ることになります。
兄弟か双子のような関係にあるスイフトとイグニスですがどっちがいい車で、選ぶべきなのでしょうか?
もったいぶらずに結論から言いますとスイフトの方が買って後悔がない車のように思われます。
しかし、小回りさえ良ければいい、と言うならイグニスを選ぶのも断然ありです。
両者は目指しているところが違うためどうしても「重視するものはなにか」で選択する面が出てきます。
それではなぜスイフトを選んだ方が後悔がないのかチェックしていきましょう。
新型スイフトとイグニスの価格を比較!
まずはスイフトから。
トランスミッション/グレード | HYBRID RS | RS | HYBRID ML | XL | XG |
---|---|---|---|---|---|
2wd/cvt | 1,691,280円(税込み) | 1,594,080円(税込み) | 1,625,400円(税込み) | 1,463,400円(税込み) | 1,343,520円(税込み) |
4wd/cvt | 1,845,720円(税込み) | 1,748,520円(税込み) | 1,779,840円(税込み) | 1,617,840円(税込み) | 1,497,960円(税込み) |
2wd/cvt(セーフティパッケージ) | 1,787,400円(税込み) | 1,690,200円(税込み) | 1,721,520円(税込み) | 1,559,520円(税込み) | なし |
4wd/cvt(セーフティパッケージ) | 1,941,840円(税込み) | 1,844,640円(税込み) | 1,875,960円(税込み) | 1,713,960円(税込み) | なし |
トランスミッション/グレード | RSt | RS | HYBRID SL | HYBRID SG | XL | XG |
---|---|---|---|---|---|---|
2wd/6at | 1,704,240円(税込み) | なし | なし | なし | なし | なし |
2wd/5mt | なし | 1,594,080円(税込み) | なし | なし | 1,463,400円(税込み) | 1,343,520円(税込み) |
2wd/5ags | なし | なし | 1,949,400円(税込み) | 1,668,600円(税込み) | なし | なし |
2wd/6at(セーフティパッケージ) | 1,800,360円(税込み) | なし | なし | なし | なし | なし |
2wd/5mt(セーフティパッケージ) | なし | 1,685,880円(税込み) | なし | なし | 1,555,200円(税込み) | なし |
2wd/5ags(セーフティパッケージ) | なし | なし | なし | なし | なし | なし |
イグニスと比較しやすいように、cvt車とそうでないものとに分けて表にしてみました。
HYBRID RSとHYBRID MLはマイルドハイブリッドです。
次にイグニスの価格です。
トランスミッション/グレード | HYBRID MZ | HYBRID MX | HYBRID MG |
---|---|---|---|
2wd/cvt | 1,641,600円(税込み) | 1,501,200円(税込み) | 1,382,400円(税込み) |
4wd/cvt | 1,778,760円(税込み) | 1,638,360円(税込み) | 1,519,560円(税込み) |
2wd/cvt(セーフティパッケージ) | 1,738,800円(税込み) | 1,598,400円(税込み) | 1,479,600円(税込み) |
4wd/cvt(セーフティパッケージ) | 1,875,960円(税込み) | 1,735,560円(税込み) | 1,616,760円(税込み) |
イグニスは全グレードハイブリッドなのに価格が安い!…と思いがちですが
正確には全てマイルドハイブリッドです。
マイルドハイブリッドはなんちゃってハイブリッドとも言われており電気で動くのは発進時や加速時だけです。
それでも価格が抑えられて、ハイブリッドの恩恵を受けられるのはありがたいですね。
スイフトの上位グレードのrs系は全体的にイグニスよりも価格が一回り高い印象です。
スイフトのHIBRID MLくらいのグレードになると、イグニスのHYBRID MZより価格は安くなります。
イグニスを購入する予算でマイルドハイブリッドのスイフトを選ぶなら、HIBRID ML一択になりそうです。
イグニスはcvtしかトランスミッションがありませんがスイフトにはマニュアルミッションやオートギアなどトランスミッション形式が豊富に用意されています。
ターボ車があるのも魅力ですね。
坂道が多い地域で乗り回すなら、ハイブリッドでなくともターボを選ぶのもありでしょう。
価格だけ見た場合、イグニスを購入する予算でスイフトも十分に買えるので選択の幅の広さはスイフトの方が大きいといえます。
新型スイフトとイグニスはセーフティサポートが違う!?
基本価格だけ見た場合、どっちが高い、どっちがお得、というのはあまりないように思えますが、セーフティパッケージを含めた場合は、スイフトを選んだ方が安全でしょう。
スイフトとイグニスのセーフティパッケージの内容はこうなっています。
スイフトのセーフティパッケージ。
イグニスのセーフティパッケージ。
両者とも専用カメラを搭載しないと全方位モニター用カメラは付きません。
スイフトにはアダプティッククルーズコントロールとハイビームアシストがパッケージに入っていますがイグニスにはありません。
高速道路の長時間運転をする人にとってはアダプティッククルーズコントロールは欲しい機能
かもしれません。
新型スイフトとイグニスの燃費の比較!
どのような乗り方をするにしても燃費はいいに越したことはありません。
そして表記の燃費と実燃費の誤差も重要な要素です。
はたしてどちらの方が最終的にいい燃費を出すのでしょうか?
まずはスイフトからです。
グレード/駆動方式 | 2wd | 4wd |
---|---|---|
HYBRID RS | 27.4(km/L) | 25.4(km/L) |
RSt | 20.0(km/L) | なし |
RS | 22.6(km/L)(5mt)/24.0(km/L)(cvt) | 22.8(km/L) |
HYBRID SL | 32.0(km/L) | なし |
HYBRID SG | 32.0(km/L) | なし |
HYBRID ML | 27.4(km/L) | 25.4(km/L) |
XL | 22.6(km/L)(5mt)/24.0(km/L)(cvt) | 22.8(km/L) |
XG | 23.4(km/L)(5mt)/24.0(km/L)(cvt) | 22.8(km/L) |
次にイグニスのカタログ燃費。
グレード/駆動方式 | 2wd/cvt | 4wd/cvt |
---|---|---|
HYBRID MZ | 28.0(km/L) | 25.4(km/L) |
HYBRID MX | 28.0(km/L) | 25.4(km/L) |
HYBRID MG | 28.8(km/L) | 25.4(km/L) |
HYBRID MGだけ微妙に燃費がいいのは、重量が他の2つのグレードより軽いからです。
イグニスは全グレード統一してデュアルジェットエンジンが使われています。
スイフトはハイブリッドとそうでない仕様にわかれているため搭載しているエンジンに違いがあります。
HYBRID SL、HYBRID SG、HYBRID RS、RS、HYBRID ML、XL、XGにはデュアルジェットエンジンが搭載されています。
デュアルジェットエンジンは最高出力が67kW<91PS>/6,000rpm。
最大トルクは118N・m<12.0kg・m>/4,400rpm。
これはハイブリッド、マイルドハイブリッド関わらず同じです。
カタログ燃費の方はハイブリッドで32.0(km/L)でマイルドハイブリッドは27.4(km/L)。
ハイブリッド仕様ではないRS、XL、XGは2wd/cvtで24.0(km/L)まで落ち込みます。
2wd/5mtが22.6(km/L)なので、燃費がいいと言われているmtよりもcvtは燃費がいいということになりますね。
RStはターボ車なのでブースタージェットエンジンが搭載。
ブースタージェットエンジンの最高出力は75kW<102PS>/5,500rpm。
最大トルクは150N・m<15.3kg・m>/1,700-4,500rpmとなっています。
燃費は20.0(km/L)でカタログどうりですね。
イグニスは全てマイルドハイブリッドなのでスイフトと比較する場合、HYBRID RS、HYBRID MLと比較する必要があります。
マイルドハイブリッドの車の燃費を比較するとスイフトのHYBRID RS、HYBRID MLの2wdは27.4(km/L)イグニスの2wdは28.0(km/L)です。
カタログ上はイグニスの方が燃費がいいことになります。
この違いも重量が影響しているものと思われます。
イグニスの重量は2wdで880kg。
4wdで920kgです。
HYBRID MGのみ2wdが850kg、4wdが890kg。
スイフトの重量はHYBRID RSが2wdで910kg、4wdで970kg。
HYBRID MLは2wdで900kg、4wdで960kg。
スイフトの方が重いですね。
そういうわけで、カタログ上の燃費はイグニスの方が優秀ということになります。
では、実燃費はどうでしょうか?
新型スイフトとイグニスの実燃費
実燃費は運転の仕方、乗員の人数や体重気温によっても変化します。
明確な実燃費というのは出せないものですがみんカラユーザーの投稿によるとスイフトの実燃費(ZC、ZD系)の平均は17-18(km/L)。
イグニス(FF系)は平均17-19(km/L)。
2019年5月の記録です。
カタログ燃費同様、イグニスの方が平均した実燃費はいいようです。
ただしかなりの僅差であり、実燃費はあまり変わりなように思えます。
走行したときに渋滞しているかどうかや田舎か都会かでも実燃費は変わってくるので参考程度に。
実燃費に関しては優劣がつけられない、というのが正直なところです。
新型スイフトとイグニスのエクステリアの比較!
フロント
スイフトの顔つきはデミオを意識したと思われるデザイン。
険しすぎず、柔らかすぎずといった無難な印象です。
イグニスはスイフトよりも個性がある顔をしておりかっこよさより愛嬌をのぞかせた表情をしています。
覚えやすいフロントといえばイグニスに軍配が上がりますがかっこよさと味わいのある、無難なフロントを選ぶなら、スイフトの方がいいものだと思われます。
ホイール
スイフトのホイールはがっしりとしていて16インチ。
タイヤのサイズは185/55R16 83V。
最低地上高は2wdは120mmで4wdは145mm。
イグニスのホイールも16インチ。
タイヤサイズは175/60R16 82Hとなっています。
幅も細く、イグニスの足回りは貧弱さを感じます。
その原因には高めの車高も関係しています。
最低地上高は180mm。
スイフトよりやや小さいのに腰は高いということになります。
ホイールのインチアップはさらに貧弱さを増す可能性が高く純正タイヤのインセットも40mmと数値が小さいためにリム幅を大きくするのも手が焼けます。
他メーカーの対応ホイールもインチダウンを前提に15インチが用意されています。
ホイールの安心感とカスタムの自由度は断然スイフトが上です。
「ホイールの交換なんてしないよ!」
と言う人もなおさら足回りはスイフトの方が安心です。
スイフトとイグニスの乗り心地を比較!
スイフトもイグニスも乗り心地が硬い点が共通点として挙げられます。
共通して使われている技術「ハーテクト」が原因で車体は軽量で剛性が高いのですが、同時にそれが揺れや段差のハネを強調している感があります。
一方でその硬さはコーナーでは強みとなっていて地面をしっかり押さえているという安定感を生み出してくれます。
このようにどちらも共通した乗り心地を持っていますがはっきり言ってイグニスの乗り心地はスイフトより悪いと言えます。
その原因は「軽さ」と「腰の高さ」から来ています。
スイフトも車体が軽いのですが、イグニスはさらに軽く乗り心地の硬さから来る、段差や路面の継ぎ目によるハネを大きく感じてしまいます。
それが路面と最低地上高の高さ、ホイールの細さなども相まって際立ってしまいます。
スイフトに比べて、乗り心地が悪く乗り換えたという意見もちらほら見かけます。
スイフトでは静かと言われているロードノイズもイグニスは大きいという意見が多い点も無視できないですね。
このあたりがスイフトと違い、イグニスに熱烈なファンが少ない理由になっていそうです。
乗り心地はスイフトの方が勝っていると言えます。
新型スイフトとイグニスを比較した結論
主に燃費、エクステリア(ホイール)、乗り心地で比較しましたが実燃費は大差があるようには見えず、エクステリアはホイールの安定性でスイフトに分があり、乗り心地もスイフトの方が上と言えます。
イグニスが勝っている点といえば、カラーバリエーションと最小回転半径4.7mという小回りの良さでしょうか。
スイフトは最小回転半径4.8mです。
大差ないですが…。
イグニスを購入する予算があるのなら、同程度の価格でマイルドハイブリッドであるHIBRID MLを購入した方がいいというのが正直な結論ですね。
しかしけしてイグニスがダメな車というわけではありません。
個性的な見た目が気にいったのならありと言えるでしょう。
イグニスは通勤や買い物といったチョイノリ以外に用途がない人に向いています。
小回りが利くので、運転になれていない人にも向いているでしょう。
一方、さまざまな場面で十分な走りを発揮してくれるのがスイフトと言えます。
スイフトはホイールがしっかりしており初代からサーキットでの走行を考えて作られているので急な遠出や、慣れない山道を走る機会が出た場合心強いです。
スイフトは2017年にフルモデルチェンジをしているため2016年登場でモデルチェンジを経ていない(2018年現在)イグニスよりも若干進んでいます。
イグニスもこれからの展開次第ではおもしろくなるかもしれませんね。